夢の記憶

なんだかカッチョイイタイトルだが、内容はカッチョよくない。夢を見た。たい した夢ではない。ストーリーは忘れてしまったが、どうでもよい内容だったこと だけは憶えている。さて、しかしながら目が覚めてから、とある疑問がわいた。 夢の中でふと、あることを「思い出した」のである。何を思い出したのかは忘れ た。あまり面白いことではなかった気がする。原稿の締め切りが今日の夕方だ、 とか。問題は、締め切りを思い出した自分も、思い出した内容も、夢の話、つま り現実ではないということである。なにしろ具体的なことを忘れてしまったので、 たとえ話になってしまうのだが、こんなことである。自分は小説家だ。締め切り をいくつも抱えている。で、まずこの時点ですっかり夢物語である。さらに、こ の夢の自分は、ハッと思い出す。「ワァ!今日締め切りの原稿があったんだ!一 文字も書いてないよぅ!」と。もちろんこれも非現実。

さて、何を言いたいのかというと、この非現実、夢の中の自分は、あたかも以前 から知っていた(が、一時的に忘れていた)ことのように、やはり非現実な締め 切りの件を「思い出す」のである。どちらも同時に作られた夢なのに、その夢の 中では「以前から知っていた記憶」を「現在の自分」が思い出すのだ。「以前か ら知っていた記憶」が、現実世界と関連のあることならば、合点がいくのである が、夢の中では虚が、時間差のある虚を思い出す、のである。夢ってそんな複雑 なことができるのか、と目が覚めて感心した。


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Hidenobu Arimoto, <arimoto@gentei.org>
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