Project BSD on Maciontosh Performa 5220

頓挫した(2000.4.13)ので、作戦変更。


頓挫に至るまで


性能の検証

PF5220は、知る人ぞ知る、「例外」Macだ。ppc搭載の一体型である。後の54xxシリーズとは、似て非なるものである。

CPU
Power PC603e 75MHz。今となってはPPCだと威張れるほどのスペックではない。まあintel系に無理矢理例えれば、素ペンチ75位なもんだろうか。UNIXで使うには、全く問題ないレベル。

ロジックボード
Macのロジックボード(マザーボード)には、タイプによってコードネームが付いているようだが、わしゃ詳しくないので、PF5220のは"Codyceps"というらしい。ppcなのにPCIバスを持たないタイプだ。これが例外たる所以。

Mac上で稼働するUNIX-like OSは、ことごとく非PCI ppc MACをサポートしない。これは困り。動かす術は探しゃある気はするが。
しかも、PF5220前期型は、以降の3.3Vロジックボードとは異なる、5Vなのであった(裏取れず)。

HDD
内蔵HDDは前期型なので500MBだ。後期型は800MBらしい。それでもMacOS7.6.1に、必要なアプリケーションを入れて、何と100MBもの空きがある。もっとも、使用頻度の低いものその他は230MB MOに退避しているが。

ちなみに内蔵HDDはE-IDEである。昔のMacは内蔵もみなSCSIであった。

その他内蔵デバイス
FDDが、アホだ。Macは通常、PC Exchangeというのを使えばDOSフォーマットのFDが読めるのだが、このPF5220では、読めない。PF5220全ての問題なのか、個体によるのかは不明だが、このような現象の起きるMacは他にもいくつか見たことがある。確か、Centris660AVとかだったか。IIvxもそうだったか。

後から付けた230MB SCSI MOも同じであった。こうなると、ロジックボードのバグを疑うことになる。ちなみに、FDはMacでフォーマットしたDOSディスクは読めるので、なんとかDOS系マシンとのFDレベルでのデータ共有は可能だ。しかし、MOでは、MacでDOSフォーマットしてもDOS系マシンが認識しないという、抜群にしょーもない状況に陥る。

その他には、とてつもなく遅いSCSI CD-ROMを内蔵している。CD-ROMが遅くて困ったことは、わしはない。その手のコンテンツに用はないし、インストールの類などそう滅多にするものではないから、待ちゃいい。

RAMは32MBを実装している。前のオーナが増設したはずだ。72Pin SIMMで、ノンパリの60nsならいいはずだが、Mac用とちゃんと書いてある奴を使わないとまずいのかどうかは、わしゃ知らん。

チューナ付きのAVカードを積んでいる。独身寮時代は、TVを持っていなかったので、アンテナ線を繋いで、これでTVを見ていた。ビデオも見ていた。しばらく使っていなかったが、最近ビデオをファイルに落とす用が発生して現役復帰した。

以前、モニタの制御ボードがぶっ壊れ、修理した。水平同期が取れなったのだ。ボード交換で3万もかかった。微妙なところだが、まだ辛うじて許せる時代であった。

周辺機器
こんなもんだ。

ちなみに、キーボードは、Apple Design Keyboardというやつだ。リンゴ印も付いているが、Apple Computerとは書いてない。はたしてこれは純正なのか? 秋葉原でリビルド品を買ったものだ。見ての通り、拡張キーボードのようなもので、ファンクションキーがあり、カーソルキーも横一列ではない。日本語キーボードでないので余計なキーもない。密かに拘りの逸品だ。

NetBSD何するものぞ

JNUGのページ見れ。ここから、最新の1.4.2 ppc版を持ってきた。

なぜLinuxじゃないのか

深い意味はない。わしゃ、マイナー指向なんじゃ。あと身の回りにBSD userが多いってのもある。

HDDの確保

とりあえず、いくらなんでも内蔵500MBだけでは足りんので、1GBの外付けSCSI HDDをYahoo!オークションでget。I・O DATA製HDS-1Gというやつだった。

付いてきたケーブルですぐ接続し、難なく認識した。中身はIBM製ドライブらしい。Macフォーマットでは、すぐにフォーマットできた。パーティションも切れた。使ったツールはB's Control 1.2かなんかだ。

しかし、NetBSDを入れるには、A/UXというタイプでフォーマットしなければならないらしい。A/UXは昔Appleが純正で出していたUNIX-like OSらしい。

インストールの準備の準備

INSTALLというファイル(html、txt、ps、more版があるが、内容は同じのよう)を読むと、boot diskを作らなきゃいけないらしい。

に、フロッピーのイメージファイルがある。これをFDに焼けば良いのだろう。
FDにイメージを焼くツールとしてはMacではsuntarというのがある。最新バージョンは2.2.2か?しかし、suntar222.hqxは、ダウンロード後正常に展開することができない。なぜだ?

Apple純正のDiskCopy(日本語版?がある)というのも、同じ症状で展開されない。
おかしい。これは完全にわしのやり方が間違っているくさい。

DOSでは、rawrite.exeというソフトで焼ける。WINDOWSのDOS窓でも、もちろん大丈夫だ。

本を買った

とりあえず、大雑把な参考にでもなればと、
MkLinux DR3/NetBSD 1.3.2サーバー構築入門~この一冊であなたのMacがサーバーになる!~
とかいう本を買った。わしがやりたいのは、ppc版1.4.2であるが、この本は68k 1.3.2しかサポートしてない。というか、日本語の本でNetBSD ppc版の本は、無いのだ。しかも、1.4.2はつい最近リリースされたばかりで、本など出ていようもない。
現時点では、インストールまでの手順は、68k 1.3.xとは全然違う香りがプンプンしている。
まあ、ここはわしが人柱になるしかなかろう。

boot diskの作成

まだうまく行っていない。DOS窓でrawriteを使って作ったboot diskは、起動時に一瞬アクセスしたがすぐ吐き出されてしまった。これはイメージを焼くのに失敗しているのか、それともFDDの不具合によるものか、現在Mac上でboot diskを作るのに成功していないのでわからない。

前述のsuntarは、どうもダウンロードの途中でファイル形式がおかしくなってしまっているらしい。Fetchで持ってきたものは正常に展開されたが、NN4.08で落としたものはダメだった。NNの設定がマズい気がする。

ftpサイトがわかっている場合は、fetchを使う方が、速く確実だ。ダウンロードというとブラウザからポチッとなするもんだと思っているしとが最近はほとんどだろうから、当たり前のことなんだが、ちょっと書いておく。

そんなわけで、sunterを手に入れ、早速boot diskを焼こうとしたら、今度は.fsなる形式のファイルは正しく認識しなかった。

「boot.fsは.tarでも.barでもありません」

なぬー。

その後、SunTARの使い方がわかった
EXPERT MODEというので、specialというメニューを出し、なんちゃらかんちゃら。
簡単だった。

Open Firmware

INSTALLファイルを読むと、Command-Option-O-F を押しながら起動するとOpen Firmwareなるソフトが起動するようなことが書いてある。どうも、これはAT互換機でいうところの、BIOSの設定に入るようなものらしい。対話式UIで、bootドライブの指定とかができるようなことが書いてあるのだが、わしのPF5220では、Open Firmwareは起動しなかった。INSTALLファイルには、「古いMacでは画面が真っ黒になる」というのだが、それもなく、そのまま押し続けたら、普通に起動して「デスクトップファイルを作り直しますか?」になった。

良く見たら、「Open Firmwareの無いシステム(Power Book 5xxx等)では、NetBSD/macppc 1.4.2は(まだ)動かないよ」と書いてあった。
恐らくPF5220もその類なんだろう。そうなると、ちょっと話はややこしいかもしれない。わしレベルではPF5220のままでは苦労しそうだ。

HDDのフォーマット

増設したHDDに、A/UX形式のパーティションを切ってやらねばならない。
Apple純正フォーマッタでは、当然A/UXをサポートするが、純正でないHDDを認識しないという。また、社外フォーマッタでは、SilverliningやDrive7などが対応しているが、System7.5.3以降ではすこぶる不安定らしい。

という情報と共に、「Apple HD SC Setup 7.3.5にパッチを当てることによって、一般のドライブもApple純正のフォーマッタで初期化できるようになる(A/UXパーティションも可能)」という情報が見つかった。

Apple HD SC Setup 7.3.5はSCSI HDDフォーマッタだ。内臓HDDがE-IDEの場合、Apple HD SC Setupでは認識しない。今回は、外付けSCSIなので問題はない。

パッチプログラムは起動すると目的のApple HD SC Setup 7.3.5の場所を聞いてくるので、それを指定すれば終わり。[patched]というソフトが生成される。オリジナルは消えるので注意(いらんけど)。

Apple HD SC Setup 7.3.5[patched]を起動すると、外付けSCSI HDDは認識されていた。試しに作ってあったMacフォーマットのパーティションも認識している。これを一度まっさらにして、A/UX形式のパーティションを切り直すのだ。この辺の設定は、本に従う。簡単だ。
一応、作ったのは、
てな感じだ。

PF5220を改造するか

もう一方で、腹案としてあったのが、「この際PF5220をもっとまともなマシンに改造してしまえ」という案。
これには、グレードダウンする方法、グレードアップする方法の2通り考えられる。

グレードダウンでは、ロジックボードをLC6xxとかのものに交換してしまえば、おチープに68kマシンになるはず。

グレードアップは、この際G3マシンにしてしまえ!というものである。

やはり後者を選びたいのが人情と言うもの。しかし、予算はあまりない。
そもそもの目的が、もうすぐ高性能Windows NotePCを購入するので、デスクトップのMacにはそれなりのサーバの役割をして欲しいというものだ。Mac側への予算の投入はプライオリティが低いのである。そんな金があったら、PIII noteを買い、DVD/CD-RWを付ける。

それはさておき、PF5220をアップグレードするには、そのまま交換できるPF54xxやPF64xxに積まれていたという、通称「アルケミー(Alchemy)」と呼ばれるボードへ換装する。アルケミーはppc 603eを積み、CPUクロックは100~200くらいのようであるが、PCIバスを持つボードであり、全体的にはMMXペンチ相当とみて良いんだろうか。

PF5220の動作速度に不満があるわけでもないのだが、アルケミーへの換装はその他にも色々なメリットがある。まず、
これにより、OSの選択の幅も増え、今後しばらくの対応機器の供給も心配がない。
そんな気がする。FDDやMOがバカじゃなくなるとすれば、それだけでも金払う価値があるってもんだ。
実は、FDDはシステムをちゃんとインストールしたら普通にDOSフォーマットが読めるようになったのだが、MOはダメだった。SCSIドライバの問題らしい。B's Crew 1.3以降なら読むとのこと。なんか拍子抜け。
Sonnet Crescendo G3/L2 シリーズやら、INTERWARE BOOSTER 64・54 シリーズとかのG3カードが使える。
Level2(以下L2)キャッシュのスロットに挿して使うもの。これさえあれば、ほぼ近代マシンに追いつく。PIIマシン程度と見て良いだろう。5年は安泰だ。
NetBSDでは動かないようだが。

ところで、上でも触れたが、アルケミーを載せるにあたり、もう一点手を加えなければならない。電源だ。PCI Macに対応させるために、5Vの電源を3.3Vにしなければならないのだ。これには、ネクストロとかいうところが出しているPCIブースターなるものが必要だ。面倒な作業は要らないらしいが、9800円と結構なお値段がする。ジャンクで54xxの電源が落ちていれば、それを買う方が賢いな。
Power Mac 5500の筐体が3000円か。これもいいな。

パーツ調達

そんなこんなで、現在PCI Mac化のためのパーツをかき集めている。G3カードも64MのRAMも載ったアルケミーが、60000円で売りに出ている。買ってみるか。いや、競り落とせるか。ちょっと高いが、G3カード30000円、64MB RAM10000円、アルケミー15000円、純正モデム(いらんが)5000円てなところか。悩ましい、ギリギリの線だ。

・・・買っちまった。


PF5220改造その後

購入したのは、PPC603e120MHz搭載のアルケミー(PF5420のもの)に上記のG3カード、INTERWARE BOOSTER 64・54 G3 240と、32MB RAM*2(on board 8M と合わせて計72MB)、内蔵28800bpsモデムを実装し、裏蓋もPCIライザーも付いてそのまま使えるセットで60000円だ。


L2キャッシュに挿すG3カードは240MHzクラスなら現在(2000.4)の新品実売価格も3万円を切るくらいであり、別々にかき集める手間を上乗せしてペイするかどうかという買い物である。まあ他にもいろいろあり、結果的には満足できる買い物だった。

電源については、どうも腑に落ちない。on boardのデバイスその他を考えても、入力電圧に差異があるとは思いにくい。5Vのボードを3.3V電源につなげば、あからさまに動作しないはずだし、逆ならボード側には電圧を調整する素子が付いてるものだから(多分ね)、いきなり壊れることはないだろう。酷使していれば、いずれそこから火を噴いてお亡くなりになる日がくるかもしれない。

というわけで、付けちまった。

動いた。(^^)/

その他に、PF5220についていたAVカードを移植し、外付けモデムがあるため、Communication Slot(以下CS)に実装されていた内蔵モデムは取り外した。空いたCSは、Ethernetカード実装のために取っておこう。
EthernetカードはPCIにも載るが、気分的にCSに載せたい。CS用Ethernetカードは5000円くらいで買えそうだ。

キーボード、モデム、SCSI機器は、これまで通り認識し問題なく使えた。一点だけ問題(実は大きい)がある。それは、System7.6.1にはバグがあり、L2キャッシュが使えないのだ。そんなわけでG3カードが死んでいる。ただのppc603e 120MHzマシンとして動いている。これでもまあ、非PCIの75MHzに較べれば格段に速くなっている。G3カードを生かすには、SYSTEMを7.6に落とすか、8以降に上げればよいので、楽観視している。

もう一つの問題は、G3カードは起動時の機能拡張によって初めて起動するもののようでる。ということは、ドライバのないBSDではきっと動かんだろう。
まあ、これは追々考えよう。

ちなみに、G3 BOOSTERの機能拡張は、起動時に×付きのアイコンで表示されている。

L2キャッシュを有効にするための解決策が見つかった。54xx/64xx L2 Cache Resetなるソフトがあり、これを使えばL2キャッシュは有効になる。
が、G3カードも機能拡張を使うので、結局ダメかも知れない。
G3カード側の機能拡張もアップデートされているので、試してみる価値はありそうだ

結局、54xx/64xx L2 Cache Resetは関係なさそうであり、後述のDisk Tools PPCによる起動ディスクに無理矢理新しいG3カードの機能拡張を入れてFDDから起動してみたところ、なんといきなりG3が起動した

その他にも、Apple ビデオプレーヤも起動できない。AVカードが認識されていないのか、機能拡張(Video Startup)が機能していないのか?
組み込み時のアイコンは正常に表示されているが。

ビデオプレーヤは、NetBSDとは別件で使いたかっただけなんだが。

間抜けなことに、これはドライバ古いだけだった。7.6以降では新しいVideo Playerでないと認識しないらしい。


Open Firmware その後

アルケミーに換装後、Command-Option-O-Fでポチッとなと起動したら、画面真っ黒で固まった。がびん。

もしかして、使えないのか?

いや、よく見ると、モニタの電源が入っていない。モニタは信号が来れば自動的に電源が入るはずだから、これは信号が来てないってことか?

いずれにしても、Open Firmwareは起動している可能性がある。しかし、モニタの電源が入らんのでは手も足も出ないな。別の方法を考えんと。

どうやらSystemDiskとかいうやつで、MacOS上からOpen FIrmwareにアクセスすることはできるっぽい。しかしここでまた問題。

SystemDiskは、OS8以降じゃないと動かんと書いてある。その場合はDisk Tools PPC.imgを使えと。これはOS8.1 boot floppyでSystemDiskを含んでいるらしい。

OSのダウンデート

この際、NetBSDでG3カードが使えなくても仕方がないが、一応MacOSも残すつもりでいるので、せめてその時はG3として働いて欲しいものだ。すると、System7.6.1は前述のバグが問題になるので、7.6に落とした方が良さそうである。

早速、7.6で上書きを試みるが、Codyceps時代にはできたMOからの起動ができない。
内蔵HD以外から起動できればよいので、必殺PerformaCD(5220付属)で強制起動しようとした(起動時"C"キー押下)。すると画面に、

「このSystemは、このマシンでは起動できません」

なぬー。5220専用かい!
最初からお膳立てさせれているマシンてやつは、つくづく使えねー。
これは困った。
残された道は、

いずれにせよ、ロジックボードが変わった今、OSは再インストールした方が良いような気がする。

話が前後したが、先に書いたように無事7.6.1のままG3を認識してしまったので、無かったことにする。ちなみに、MOからの起動もB's Crew1.3以降ではフォーマットが改善されているようで、うまく行くようなことが書いてあった。これは追々試す。

別の方法

ここで、NetBSDをやめて、MkLinuxを入れる場合を考えると、次のようなメリットがある。

いまんとこそれだけか。がっくり。
NetBSDと、MkLinuxの共通の欠点は、

うーん、結構致命的かもしれん

ところが、第3の選択肢LinuxPPCなるものがあるようではないか。なんかこれが良さそうだ。
いずれにしてもOpen Firmwareが起動しないとNetBSDは辛すぎるので、作戦変更する。

ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org